パッケージに表示しなければならない内容
機能性表示食品の届出資料に商品パッケージの表示見本を提出する必要があるため、予めパッケージデザインや表示内容を決めておく必要があります。
ガイドラインに定められている容器包装への表示事項
① 「機能性表示食品」の文字
「機能性表示食品」と容器包装の主要面(通常、商品名が記載されている面)に表示しなければなりません。
② 科学的根拠を有する機能性関与成分及び当該成分又は当該成分を含有する食品が有する機能性
⑧と同一面に表示しなければなりません。
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科学的根拠の説明方法には次の3通りの方法があります。
最終製品を用いた臨床試験で科学的根拠を説明した場合
- 表示例
- 本品にはA(機能性関与成分)が含まれるので、Bの機能があります(機能性)
トクホ同様販売する製品と同様のもので臨床試験を行うため、費用と時間は非常にかかりますが、最も直接的に機能性を表現できます。
複数の機能性関与成分を含み、表現が複雑になる場合は、「本品にはBの機能があります。」と表示し、機能性関与成分名をそのすぐ近くに表示してもよいことになっています。その場合は、他の成分と混同しないような表示にする必要があります。
最終製品に関する研究レビューで科学的根拠を説明した場合
- 表示例
- 本品にはA(機能性関与成分)が含まれ、Bの機能がある(機能性)ことが報告されています。
販売する製品と同様のものに関する文献についてSR(システマティックレビュー)を実施することで科学的根拠を説明した場合です。
複数の機能性関与成分を含み、表現が複雑になる場合は、「本品にはBの機能があることが報告されています。」と表示し、機能性関与成分名をそのすぐ近くに表示してもよいことになっています。その場合は、他の成分と混同しないような表示にする必要があります。
機能性関与成分に関する研究レビューで科学的根拠を説明した場合
- 表示例
- 本品にはA(機能性関与成分)が含まれます。AにはBの機能がある(機能性)ことが報告されています。
使用した機能性関与成分に関する文献についてSR(システマティックレビュー)を実施することで科学的根拠を説明した場合です。機能性関与成分の過去の研究文献があれば可能なため、費用や時間を抑えられ、届出のハードルがぐっと下がる反面、3通りの中で最も遠回しな表現に制限されます。
③ 一日当りの摂取目安量当たりの栄養成分の量及び熱量
原則として、全ての消費者向けの加工食品及び添加物に栄養成分表示が義務付けられます。
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- 義務表示
- エネルギー(熱量)、たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウム「食塩相当量」
- 任意表示(推奨)
- 飽和脂肪酸、食物繊維
- 任意表示
- 糖類、糖質、コレステロール、ビタミン・ミネラル類
ナトリウムの量は食塩相当量で表示します。
任意でナトリウム量を表示する場合は、ナトリウムの量の次に括弧等を付けて「食塩相当量」を表示します。ただし、ナトリウム量の表示ができるのはナトリウム塩を添加していない食品に限られます。
また、特例として消費税法第9条第1項において消費税を収める義務が免除されている事業者、及び従業員が20名以下の小規模事業者(商業、サービス業は5名以下)に関しては栄養成分表示の表示義務はありません。
④ 一日当りの摂取目安量当たりの機能性関与成分の含有量
機能性関与成分と冠し、③に続けて③の枠外に記載しなければなりません。
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複数行になっても問題ありません。機能性関与成分名は届出資料に記載したものと同様の名称に統一して正確に表示します。
⑤ 一日当りの摂取目安量
「一日当たりの摂取目安量」と冠し、届出資料に記載した量を表示します。
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表現方法は意味合いが変わらない程度に幅を持たせられますが、摂取目安量自体は届出資料に記載した量をそのまま表示します。また、1個、1切れのような表示をする場合、個体差がある生鮮食品においてはグラム表示を併記することが推奨されています。
⑥ 届出番号
届出時点では番号は決まっていませんので、場所の当たりを付けるために記載します。
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商品販売時は消費者庁から示された届出番号を表示しますが、届出をする際はまだ届出番号が決まっていません。そのため、届出時点では場所の当たりをつけることが目的になります。
消費者庁から示される届出番号は、電子申請になる以前はAから始まる番号、電子申請になってからはBから始まる番号となっていますが、今後Bから始まる番号ではなくなる可能性がありますので、接頭語にAやBと付けず、単に数字の羅列や「××××××××」などに留めておくのが無難です。
⑦ 食品関連事業者の連絡先
氏名又は名称及び住所、電話番号を記載します。
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⑧ 「本品は、事業者の責任において特定の保健の目的が期待できる旨を表示するものとして、消費者庁長官に届出されたものです。ただし、特定保健用食品と異なり、消費者庁長官による個別審査を受けたものではありません。」の文字
②と同一面に表示する必要があります。定型文でそのまま表示します。
⑨ 保存の方法
商品を保存するのに適した保存方法を記載します。常温で保存すること以外にその保存の方法に関し留意すべき事項がない場合は、その旨を記載します。
⑩ 摂取の方法
届け出た機能性が失われない摂取方法(機能性の科学的根拠に関する情報を取得した摂取の方法)を表示します。調理が必要な場合はその調理方法も表示します。
特記すべき事項がない場合は、「そのままお召し上がりください。」等と表示して問題ありません。
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⑪ 摂取する上での注意事項
過剰摂取や医薬品等との不適当な飲み合わせ等を防ぐための注意喚起の表示をします。
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⑫ 「食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを。」の文字
定型文を表示します。定型文が変わらなければ改行などは可能です。
⑬ 調理又は保存の方法に関し特に注意を必要とするものにあっては当該注意事項
今回の例は特に必要が無いため、パッケージに記載していません。
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⑭ 「本品は、疾病の診断、治療、予防を目的としたものではありません。」の文字
定型文を表示します。定型文が変わらなければ改行などは可能です。
⑮ 「本品は、疾病に罹患している者、未成年者、妊産婦(妊娠を計画している者を含む。)及び授乳婦を対象に開発された食品ではありません。」の文字(加工食品のみ)
定型文を表示します。定型文が変わらなければ改行などは可能です。
⑯ 「疾病に罹患している場合は医師に、医薬品を服用している場合は医師、薬剤師に相談してください。」の文字
定型文を表示します。定型文が変わらなければ改行などは可能です。
⑰ 「体調に異変を感じた際は、速やかに摂取を中止し、医師に相談してください。」の文字
定型文を表示します。定型文が変わらなければ改行などは可能です。
食品表示基準に従った表示内容を
食品の表示に関する法律は、これまで複数の法律に分かれていて、またそれぞれの法律ごとに基準が設けられているという非常に複雑な状況にありました。これを解消するため、平成27年4月1日から「食品衛生法」「JAS法」「健康増進法」の3つの法律の中で食品の表示に関する規定を1つに統合した「食品表示法」が施行されました。
今後は食品を販売する場合、この食品表示基準に従って正しく表示を行わなければなりません。食品表示基準の制定による主な変更点は以下のようなものがあります。
主な変更点
- 加工食品と生鮮食品の区分の統一
- アレルギー表示に係るルールの改善
- 栄養成分表示の義務化
- 栄養強調表示に係るルールの改善
- 原材料名表示等に係るルールの変更
- 販売の用に供する添加物の表示に係るルールの改善
- 通知等に規定されている表示ルールの一部を基準に規定
- 表示レイアウトの改善
- 新たな機能性表示制度の創設
新表示に切り替えるための経過措置期間があります
市場に出ている商品は既に印刷されたパッケージや大量の在庫などのため、すぐに新しい表示方法に切り替えられないのが現実です。そのため、新しい表示方法へ切り替える準備をするための経過措置期間が設けられており、期限までは旧基準の表示のままでも問題ありません。
ただし、原則として旧基準と新基準が混在する表示方法は認められません。
食品区分 | 旧基準による表示が認められる期間 |
---|---|
加工食品・添加物 | 食品表示基準制定から5年。 (2020年3月31日まで) |
生鮮食品 | 食品表示基準制定から1年6ヶ月。 (2016年9月30日まで) |
業務用生鮮食品 | 経過措置期間は設けられず。 |
パッケージを制作する際のポイント
商品サイズに注意する
機能性表示食品のパッケージには、上記のとおり、必ず記載しなければならない文言がいくつか存在します。商品サイズが大きく、表示スペースに余裕があれば問題は生じませんが、予定している商品のサイズが小さい場合は決められた文言が全て納まるか予め確認しておいた方が無難です。側面に全て納まらない場合、上下や折り目に記載しなければならない状況があるかもしれませんが、文言によっては表面に記載しなければならないもの、ペアで表示しなければならないものなどがありますので注意しましょう。
主要面に記載しなければならない文言 | ①「機能性表示食品」の文字 |
---|---|
ペアで記載しなければならない文言 |
|
通常、加工食品・生鮮食品のパッケージに用いる文字は8ポイント以上の統一された文字で表示しなければなりませんが、表示スペースに余裕がない場合、必要事項を全て表記するのが困難な場合があります。
そのため特例として、表示可能面積がおおよそ150cm2以下の場合は文字サイズを5.5ポイントまで小さくすることが認められています。
包装形態の異なる商品を想定している
事業者様の中には、届出商品について、包装形態が異なる数種類の商品で販売を予定している場合もあるでしょう。
例えば、サイズが大きめの箱型と小さめのパウチ型の2種類を販売したいと考える場合は、2種類のパッケージ見本を届出資料に添付しなければなりません。この場合、パッケージ毎にデザインやカラー、文言の内容や配置等を変えることも可能ですので、包装形態の目的とターゲットに合わせ、工夫するのが良いでしょう。なお、同じ包装形態で、カラーバリエーションを変えたABテストをする際にも、全ての商品のパッケージを届け出る必要があります。
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